"かつてリチャード・ファインマンは自分の理論のひとつについて語ったときに、わざとこんな意地悪い言い方をした。「もしこれが気に入らないなら、どこかよそへ――もっと規則の単純な別の宇宙にでも行ってください...私がこれからお話しするのは、これを理解するために必死に頑張ってきた人類に、これがどう見えているかということです。それを気に入らないというのであれば、もう残念としか言いようがありません」私たちが真実だと信じているもののいくつかはあまりにも奇妙すぎて、あるいはあまりにも込み入っていて、どうにも受け入れがたいと思っている人もいるかもしれない。だが、それでも事実は変わらない――自然の仕組みとはそういうものなのである。"
『リサ・ランドール「宇宙の扉をノックする」 向山信治 監訳 塩原通緒 訳』